部分隔離とは
▶ 概要
◇ 時代のニーズ・・・アスベストショックから三年目を経て沈静化の兆しが見られるアスベスト問題であるが、工場労働者、建設作業員など濃度の高い、ばく露から濃度の低い、広く浅く拡散するばく露問題へと社会情勢が変化してきています。これは空調機械室や昇降設備「エレベーター」など技術的に除去工事が難しい場所が放置され細切れに短時間での、ばく露がマスコミ等でクローズアップされてきたからです。
この低濃度ばく露問題は上記の施工技術上の問題よりも空調や電気、昇降設備など日常の営みを継続しながら除去する方法、工法がない事が問題であった。事業主における悩みは工事で人の営みをとめてしまう事にあり、事業を継続しながら対策を講じる工法が望まれています。
◇ 安全衛生上の問題・・・
また、従来工法「部屋全体を隔離しての除去工事」では作業員が濃度の高い汚染域に入ることによる石綿ばく露による疾病リスクが高くなるという安全衛生上の問題があります。
部分隔離工法は疾病リスクを著しく低減した製品となっています。
◇ コストと周辺不安の解消・・・
この工法は汚染域に入らない事で洗浄設備が不要とされ、これによりセキュリティーゾーンやフルフェイス式防塵マスク及び防護服が不要となります。
消耗品コストの低減のみならず周辺環境によっては屋外やオープン空間での工事となる事から、工事関係者以外の視覚的な不安を解消する事に一役かっています。
社会性
- 低濃度ばく露による被害は一般人に広く浅く拡散する危険が指摘されており、その殆どが設備器周辺に吹き付けられたアスベストといわれ除去が進まない要因となっています。それは技術的要因よりも日常の営みを継続しながら除去する製品・工法がないことが問題であった、この製品により事業主は事業を継続しながら対策を講じることができ、低濃度ばく露の環境改善に貢献しています。
- 安全衛生面では、従来工法と比べ作業員は殆ど汚染域に入る事なく石綿ばく露による疾病リスクを著しく低減しています。
※平均的作業の汚染濃度1,000f/Lとした場合1/1,000以下にリスクを低減。 - 周辺住民に対して洗浄設備などの大きな設備や防護服が不要となることで視覚的な不安を解消。
在来工法 |
部分隔離 |
機能性
- 最適規格のグローブ配置と接続部品を簡素化することで作業時間を短縮しています。
- 汚染範囲を小さくすることで、もっとも時間を要する隔離養生作業を大幅に削減しています。
- 隔離内を常時負圧に保つ設計とすることで屋外「橋梁、プラント配管など」や昇降設備での除去が可能となっています。
- 汚染域に作業員が入らないことで過酷な労働環境と疾病問題を解決しています。
経済性
- 汚染範囲を小さくすることで、もっとも時間を要する隔離養生作業を大幅に削減しています。
- この工法は汚染域に入らない事で洗浄設備が不要とされ、これによりセキュリティーゾーンやフルフェイス式防塵マスク及び防護服が不要となり、消耗品コストの低減ができます。
- 屋外での除去の場合大きな汚染空間が不要となることから仮設コストの低減ができます。
環境
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- 隔離フィルムは従来の高強度ポリエチレンから環境に優しいポリオレ フィンを使用、更にEMM(柔軟)樹脂を添加することで伸び率を従来比率 より二倍とし、厚みも法規制の0.15ミリから0.2ミリと安全面と作業性に配慮した設定となっています。
- 焼却時においては他のオレフィン系素材と比較し、二酸化炭素の発生量が約10%減少、焼却時のダイオキシン発生要因である塩素を発生しない、ハロゲン系含有物を含まないなど、素材にも配慮しています。
システムイメージ
部分隔離の構造イラスト 「ふうじろう」レベル1対応 |
① 負圧計 ② 汚染空気の流れ ③ 仮設枠“単管” ④ 部分隔離フィルム ⑤ アスベスト ⑥ 負圧除塵装置 ⑦ 除去袋 |
在来との比較
除去工事のケース在来工法 |
部分隔離 |
除去工事のケース
設備周辺での除去
除去工事のケースエレベーターでの除去 「ふうじろう」 |
プラント配管での除去 「ふうじろう」 評価 |
PIS認定の部分隔離
認定基準:従事者の作業場所である作業区域の空気1㍑中の繊維状粒子(アスベスト繊維を含む)の 本数をおよそ10本以下とする事により作業区域の汚染がない事の証明施工手順 - ふうじろう工法
レベル1 技術審査証明BCJ-163(取扱説書/61ページ) (pdf, 3,743Kb)
※上記のマニュアルの著作権は株式会社ミヤデラ断熱様に帰属いたします。
レベル2 空調衛生設備アスベスト対応マニュアル2012(pdf,4,228kb)